アニョハセヨ!

 

僕は明日、国立競技場で19:00から行われる、『藤田俊哉送別試合』に参加します。

ありがたいことに、今回僕は俊哉さんから直々に連絡をいただき、参加することになりました。

俊哉さんとは名古屋グランパス時代に半年間一緒にプレーをしました。

それほど長く一緒にプレーしたわけではありませんが、俊哉さんからは多くのことを学びました。

俊哉さんは、グラウンドの中だけではなく、普段からも視野が広くバランス感覚のある人で、ちょっとした事に気付いたり、周りへの気遣いなどが優れていました。

そして少年のように明るく気さくなキャラクターで、俊哉さんの周りは常ににぎやかで、先輩後輩問わず誰からも慕われていました。

僕は俊哉さんの背中を見ていて、一流のサッカー選手はグラウンドの外でも一流なんだということを肌で感じ、僕もそういうサッカー選手になりたいと強く思いました。

そのような選手の送別試合に呼んでいただけただけでも恐縮なのですが、朝鮮代表選手である僕がジャパンブルーチームで出場ということには少々驚きました。

もちろん僕はジュビロ磐田のOBではないので、ジュビロスターズにも該当しませんが、それでもわざわざ僕を呼んでジャパンブルーに入れるところが、誰よりもバランス感覚に優れ、視野が広く、考えの深い藤田俊哉さんらしいなと思いました。

たぶん俊哉さんから言わせたら、『俺たち友達なんだからそんなの関係ねえよ』って感じになると思いますが(笑)。

そして僕自身、ジャパンブルーの一員としてプレーすることに特別な感情があります。

僕は日本で生まれ育ったのですが、国籍が朝鮮なので日本代表になる資格はありません。

幼い頃からサッカーが好きで、プロのサッカーに選手になってワールドカップに出たいと思っていました。

日本にいる僕に朝鮮のサッカーを見る機会はなく、当然のように日本のサッカーを見て育ちました。

キャプテン翼をはじめとするサッカー漫画を読んでサッカーにのめり込み、Jリーグを見て夢をえがき、日本代表の姿から夢を叶えることの難しさ、そして夢を叶えた時の感動を教えてもらいました。

僕はこれからも祖国の代表選手としての誇りを持って生きていくでしょうが、夢を与えてくれた人たちへの感謝の気持ちも忘れるつもりはありません。

明日はジャパンブルーの一員として、藤田俊哉選手をはじめ、日本のサッカーを引っ張ってきた人たちへの感謝の気持ちを込めて送別試合に臨みたいと思います。